江戸時代の食べ物を再現して食べるのが好きな私も、とうとう「飛鳥時代まで来たか」という感じですね。
飛鳥だか平安時代に食べられていた『蘇』という、和製チーズがあるようで、文献には残されているが失われた食文化という、中二病が再発しそうな食品。
貴族階級の人が極たまに仏教祭事や病気の時に食べられるような、恐らく今で言う「シャトーブリアンA級の朝鮮人参蒸し トリュフ風味 ~フォアグラとキャビアをのせて~」みたいな食べ物だったのだろうと思われます。
ええ、私の勝手な推測ですけどね。
そんな『蘇』ですが、遙昔の食べ物なため、明確な作り方が残されているわけでもないのですが、どの諸説を探っても「蘇は乳を煮詰めた乳製品で美味しいもの」という微笑ましい共通点があるらしく、せっかくなら食べてみたいと作ってみることにしました。
飛鳥・平安時代の高級食品『蘇』の作り方
蘇の作り方は平安時代の書物に「乳大一斗煎得蘇大一升」と書かれていたそうで、要約すると「18Lの牛乳を1.8Lになるまで煮詰めろ」ってことらしく、ただただ牛乳を煮詰めていけばOK。
文献によって様々らしいのですが、7時間煮詰めろとか、72時間煮詰めろとか、短いもので4時間煮詰めろとか書いてあるそうなのですが、おそらくそれは「火力の問題」と「テフロン加工のフライパンがなかったから」であろうと思われます。
2019年に生きる私は、持てる文明の利器すべてを使って、より手軽に、より早く作ろうと思います。
というわけで、用意するものはこちら。
材料&道具
- 牛乳1L
- テフロン加工のフライパン
- 写真にはないけど木べら
- そして『火』
18Lの牛乳で1.8Lの蘇ができるなら、1Lで100g。
試しに作るには十分なので、初心者の皆さんは牛乳1Lから初めてみることをおすすめします。
そして、牛乳は低脂肪などだと固まりにくいと思うので、「成分無調整牛乳」を選ぶようにしましょう。
作り方
文献に習いひたすら煮詰めます。
まずは牛乳がふつふつとするまで強火で一気に加熱。
ふつふつしてきたら中火~弱火にして、焦がさないようにひたすら木べらで混ぜていきます。
20分経過…………
40分経過…………
途中混ぜるのをさぼって牛乳を焦がしてしまい、茶色い粒ができてしまいましたがご愛嬌。
1時間経過…………
小麦粉を多く入れ過ぎた時の失敗したホワイトソース並みに固くなりました。
ここまで固くなったら8割完成。
後は火を消して、ラップの上に置いて……。
包んで形を整えて、冷蔵庫で2~3時間冷やし固めれば完成!!
蘇を切ってみる
冷えて固まった蘇を切ってみましょう。
火から下ろしたては、結構ねちゃねちゃだったんですが、固まるとかまぼこよりも固い、弾力のあるような手ごたえに……。
中はこんな感じ。
焦がしてしまった牛乳がツブツブになってしまっていますが、100%牛乳でできているので、気にせず食べましょう。
きっと、飛鳥時代の人たちも、焦がしても普通に食ってたと思う
蘇を食べてみた感想
薄くスライスすると、できの悪いかまぼこみたいになる、千夜の『蘇』
香りは、鼻を近づけるとほのかにミルクの香りがする程度。
では、味の方はというと……。
ママの味がする。
これは確実にママの味だ。
濃縮されたミルクが甘さを生み、まるでそう……「柔らかい、甘さを控えたミルクケーキ」のよう。
甘さを抑えたミルキーと言ってもいいかも。
しつこくない甘さがおいしくて、旦那も大喜びの一品。
チーズ……と表現するにはいささか甘いのだけど、歯ごたえはチーズぽくもあり、非常に美味。
これは確かに食料の乏しかったであろう大昔にとっては、超絶怒涛のご馳走になるに違いないです。
現代でも「また作ってもいいかも」と思えるくらいのおいしさで、正直ド肝抜かれましたよ。
動画でも作り方を紹介しています!!
夏休みの親子料理挑戦にもおすすめ
『蘇』
ただひたすら牛乳を煮詰めればよいだけの料理なので、夏休みの親子料理にも最適(もちろん火の管理には注意してね)。
「飛鳥時代のチーズを食べてみた」と、自由研究のネタにもなること請け合い。
どうせなら、「昔料理を作ってみる自由研究」というので、この「あっちこっち飛び猫」の「昔飯」を作ってみるのもおすすめです。
因みに、Amazonで手を抜くこともできます。
また、あっちこっち飛び猫では古代のお米を食べてみたりと、江戸時代の文化飯以外も色々作っていますので、ぜひ他の「昔飯」食べてみてください!!
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