泣く子も黙るアレルギー体質の私。
一度髪の色をミルクティー色に染めて、全身に蕁麻疹が出て以来染め剤のジアミンに反応するようになってしまったため、もう染めることが出来なくなってしまったのだ。
だが、染められなくなったからといって白髪が出なくなるわけでもない。
寄る年波は勝てず、1本2本と白髪が気になるようになり、ここ数年金髪野郎と化していた。

けどまあぁ、私だって落ち着きたいときもある。
マニックパニックというマネキュアならアレルギーも出ずに染められるが、それだと白髪には色が付かない。

というわけで、今回「植物100%のヘナならいけるんじゃね?」と思い立ち、ヘナで髪を染めてみたのだ。
ヘナカラーとは?
ヘナとは昔々、大昔から使われてきた染め剤の植物。
肌はもちろん爪を染めたりできるのだが、大体2週間くらいで代謝と共に消えていく。
国によっては女性を守るための呪い的なポジションの植物性染め剤。
日焼け止め効果もあるらしく、インドなんかでは染め剤=ヘナというくらいだ。
髪染めに使う場合、痛んだ部分に入り込み、赤褐色に発色。
もちろん白髪でも染まるのだが、やっぱり赤……朱色に近い色合いになるので、その場合今回のような藍染めの藍が混ざっていたりするヘナカラーを使うといいと思う。
髪の場合は、肌に描くヘナタトゥーより長持ちする。
もちろん化学物質なんかは使われていないのだが、ヘナ自体にアレルギーを起こす人もいるので、その辺は自己責任にて。
今回使用のヘナカラーは『ファインヘナ』
今回私が使ったのは「Fine Hena」(ファイン ヘナ)というヘナの髪染めセット。
2回分入って、900円でおつりが来る価格。
元々のヘナの色は朱色なため、暗くなればなる程ヘナ以外の成分、ナンバンアイ葉、ハイビスカス花、カマラ、ヘンナ、アムラ、シカカイ等が含まれてくる。

……村のシャーマンが石製のミニ石臼ですりつぶしてそうな素材だ。
このファインヘナ。
通常染め時間を短縮されるためヘナ以外の化学成分が入っていたり、逆にヘナ飲みだったりする中、赤~黒までと幅広い取り扱いがあるのがいい。
それでいて、植物成分100%だ。
↑ライトブラウン
↑ディープブラウン
ファインヘナの染め方
さて、私が買ったのはダークブラウン。
カップラーメンのような容器の中に、粉が入った銀の袋が2つと(2回分)。
木べら、手袋、シャワーキャップと痒いところに全部手が届くようなセットが入っている。
自分で用意するのはタオルと水くらいか。
①染める前に髪を洗おう。
以前マニッシュパニックでトーンを落ち着かせていた物の、色が落ちてまだらに赤茶けている。
そんな髪を軽く洗おう。
そしてタオルドライをして、そこから染髪開始。
②ヘナの容器に水を入れて、溶かす。

袋を開けた瞬間、植物100%の香りが……。
少し固めの、トロっとした感触にすると良いらしいのだが、結構固い。
ついでに言うと、色々不安になる。
絶対シャーマンがこねてる怪しいお薬だ。
③どうにかヘラで救えるくらいの硬さになったら、濡れた髪に塗布。

臭い。
植物臭というよりも、シャーマンが吸った何かの煙を吹きかけられたような臭い。
塗布というよりも、髪に馴染むような硬さではないので、「髪に乗せていく」という感じになる。
因みに、塗っているときにクシとかでとかすと、髪が痛むのでやめた方がいいらしい。

手に乗せてみるとモザイクをかけたくなる程汚い。
④塗り終わった後の髪。
画面が暗くて申し訳ないのだが、臭いわ、ヘナが落ちそうだわ、手袋草汁まみれだわで、写真を撮るのが本気で大変なのだ。
ネタにしたい一新で写真を撮って、すぐにヘアキャップを被る。
この時点で、本気でヘナ……というか、草汁臭が気になる。
例えるなら、海岸に打ち上げられているワカメを焚き火に入れて、燃やしたような臭いだ。
臭いも色落ちも気になるので、私はヘアキャップの上から更にタオルを巻く。
⑤待つ。

ここが一番シンドイ。
説明書には45分以上待つ……と書いてあるのだが、45分じゃ染まりが薄いのだ。
マニックパニックの時もそうだったのだが、カラダに優しい系の染め材は1時間やそこら放置したところで、1回の洗髪でほとんどが落ちてしまい悲しいことになる。
なので、2時間は放置しておいたほうがいいのだ。
……頭は重いし、冷たいし、うっかりどこかに付着するかも知れないというストレスがたまらなく嫌だが……。
⑥2時間以上放置したら髪を洗おう。
ヘナの大きめ成分が下水管を詰まらせる可能性があるため、用心しながらの洗髪。
正直気を遣う。
これが落としたての髪。
赤茶けた色が少しは落ち着いた感じがするが、まだヘナの色は出ていない。
ヘナは時間と共に発色するため、これから2日ほど経ってからの色が本気の色だ。
ヘナでの髪染めのポイントと注意点
これが2日後の髪。
染める前となにが変わってるのかわからないかもしれないが、結構トーンが落ち着いているのだ。
あと、ヘナはトリートメント成分も含まれているため、乾燥して痛んで跳ねていた髪が、しっとり落ち着いているのだ。
ヘナで髪を染める際のポイントだが…………時間は2時間以上使って染めることに限る。
本当に染まりが悪いのだが、天然成分を使っているのだからその辺は諦めるしかないだろう。
そして注意点なのだが…………。

臭ぇ。
ヘナを落とした直後は風呂に入っても、まる1日髪から「コンビニの外に置かれている、たばこの灰皿にたまった水の臭い」が放出され続けるのだ。
燃やしワカメの臭いとか、シャーマンの臭いとか言っていられない。
本気で自分の頭が不快になるので、ヘナで髪を染める際は3日は外に出ない、人に合わないという日にやろう。
ファインヘナを使っての感想
それで、総合的に見て、ヘナカラーは良かったのか悪かったのかと聞かれたら……。

微妙
色は凄くいいのだが、それはこのヘナカラーの配色、配分が良いからであろう。
白髪も染まったし、そこだけ魔法老女のようにキラキラ光るようなこともない。
ただ、労力と臭いがハンパない。
もちろん普通のヘアカラーでもかなり臭いし、ブリーチも刺激臭がある。
だが、3日も頭からシャーマンの臭いがでることはないだろう。
そして、染めるにも時間がかかるため、うっかり服に付いたりとかの心配もある。
もっとも、植物性なので、洗剤かけて洗えば容易く落ちるのだが……。
そして、色持ちは……たぶん普通のヘナカラーと同じくらい。
だが、ヘナの赤だけはどの色よりも強く、黒っぽい色が落ちてくると段々赤くなってくるので、ソレが嫌な人は向いていないであろう。
もちろん、私が今回使ったヘナカラー以外にも色々なタイプのものがあるので、他を使ったらこんなシャーマンの臭いに悩まされることはないかもしれないが、とかく、ヘナが呪術的なことに使われる理由がわかった気がする。
というわけで、今回のヘナ体験。
リピートはあるのか? と言われたら、私は普通の染め剤が使えないためこの先もシャーマンの臭いと戦い続けると思うが、そうでもないなら、普通のヘアカラーを使うのもありじゃないかな……という、中途半端な意見だ^^;
いっそのことほとんど白髪とかになったら、ヘナだけで真っ赤な髪を実現してやるのだが……。
↑今回私が使った色
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