猫の腎臓病は甲状腺機能亢進症の病気で抑えられるケースがある!? | 飛び猫

猫の腎臓病は甲状腺機能亢進症の病気で抑えられるケースがある!?

高齢猫アイキャッチ
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猫神様のご加護か呪いか、猫が絶えずやってくるカワチヨ。家なんですが、その中でも古参中の古参。

今年18歳になる老猫の話なんですが、一言で言うと「甲状腺機能亢進症のおかげでほとんどの猫に見られる腎臓病がカバーできた」という事案についてお話したいと思います。

ラム
見た目は若そうに見えます
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17歳になった辺りで……

我が家の長老猫に「ラム」という猫がいるんですが、私が20歳の時に行きつけの動物病院でもらわれ残ったところを譲り受けたので、2019年の時点で17歳。

元々わがままで、人懐っこいけど偏屈なため、気に入らないことがあれば怒られていても逆切れして、人のことを噛むような猫でした。

そんなラムさん、17歳に入った辺りで偏屈に磨きがかかり、ご飯の好き嫌いが激しくなる。

また、毛もケバケバになって痩せてきたので「年齢的なものかな~。人間で言うと85歳くらいだもんね……」と寂しくも、楽観視していました。

ラム
こちらは治療をはじめてすぐの頃の写真 毛がぼそぼそなのがお分かりいただけるだろうか
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妹猫の看病で気が付いた異変

と、傍観していられたのもここまで。

その年の秋に、妹猫に乳がんが発覚。

すでに肺に移転していたのか、もしかしたら肺から乳へ移動したのかわからないのですが、ともかく「手術の麻酔にも高確率で耐えられないし、余命的にも3か月……」という状態になり、あれよあれよという間に寝たきりになってしまったため、飼い主は付きっ切りで看病に。

いつもなら寝室で寝ている私も、酸素吸入室をレンタルして妹猫とリビングで寝ていたのですが……。

その時ふと、ラムが夜中でもちょこちょこ水を飲んでいることに気が付いたのです。

気になったら病院!!

ちなみに、腎臓病で水を飲む子は、5分くらいずっと水皿に顔をつけたまま、「これはおかしいだろう」って量を飲むので、大抵はそこで気が付くんですが、ラムの場合はそこまで……には至らず。

とはいえ、妹猫が病気で死んでしまったばかりなので、過敏になってもなりすぎるとうことはないと、近所でも評判の動物病院へ。

事情を話し、エコーからレントゲンから血液検査まで、がっつりやって出た結果が……慢性膵炎と、猫ならではの腎臓病と、甲状腺機能亢進症というわけでした。

高齢猫
ババ猫ですから

高齢猫なら甲状腺機能亢進症はある意味救いな理由

というわけで、一見満身創痍に見えるこの検査結果。

ですが、腕が良いと評判のこの獣医は「ラッキーでしたね!!」と、メガネをクンっと上げて言い放ちます。

猫の甲状腺機能亢進症は人間と同じで、代謝が異常に上がり、高血圧になったり、食べても食べても痩せていったり(そのせいで毛がバサバサになっていた)、動悸がしたり、いらいらしたりする病気。

ですが、この『高血圧症』に救いがあり、腎臓病の猫の場合、腎臓が萎縮してその機能がだんだんと失われていくのですが、高血圧の場合萎縮していくはずの腎臓に血流が行くため、腎臓の衰退が抑えられるという副効果があったのです。

千夜
千夜

しかも甲状腺機能亢進症はある程度は薬で押さえることができるので、薬で対処しにくい腎臓病よりもコントロールしやすいんですよ

つまり、甲状腺の病気をがっつりではなく、ほどほどに抑えることで血圧をやや高いままにして、腎臓への血流を促して、腎臓病の進行を抑えることができる。

というわけなんです。

なので、本来進行性だったり薬が効かなければ、手術で甲状腺を取ったりということもあるんですが、うちの場合は腎臓への良い効果を期待して、薬で抑える方向で。

千夜
千夜

どのみち高齢猫だから手術はNGだしね

もちろん、甲状腺の病気はほっておくと、代謝が過多になってどんどんやせ細ったり、高血圧で心臓発作や脳溢血、肝臓病なんかにもなるんで治療は絶対だし、うちのこの老猫のケースは「長生きする猫のパターン」としてよく見られるラッキーなケースなので、「じゃあみんな甲状腺の病気になればいいじゃない」という安直な考えはNG。

千夜
千夜

というか、なりたくてなれるもんでもないですが……

治療をはじめて、あっという間にふんわり太った高齢猫

というわけで、薬は多すぎず、やや少なめで血圧を高めにしつつ、慢性膵炎の治療でステロイドも少量飲みつつ過ごすこと3か月。

高齢猫
カキを狙う猫

びっくりするくらい、毛がふんわり。

体重も1キロ増えて、知らない人からは「6歳くらいかしら?」と言われるほど見た目的には元気。

甲状腺機能亢進症は気性が荒くなる、暴れん坊になる、食欲が旺盛になるという、外から見てわかる症状もあるのですが、元々気性が荒く、暴れん坊で食欲旺盛なため、治療前後でその違いは判らず。

ただ、水をよく飲むという症状は消え、「ああ、あの水をよく飲んでいたのは、腎臓云々ではなく、甲状腺機能亢進症で代謝が上がって暑くなって飲んでいたんだね」ということが判明。

いやはや、知らないことばかりです。

少量とは言え、甲状腺の薬とステロイドを毎日欠かさず飲まないとあっという間に病状が悪化する高齢猫。

代だけで1か月1万円が軽く吹っ飛び、薬の量を調節するために、3~6か月おきに血液検査などで2万くらい持っていかれます。

あと、代謝が上がっているのでご飯をどんどん食べさせないと、痩せていってしまうので(もちろん薬である程度は抑えられているけど)、ご飯を欲したら食べたいだけご飯をあげる。

これが、彼女が死ぬその時までずっと続きます。

もちろん、病気もせずに長生きして、あるときポックリが理想ですが、人間だってそうはいかない四苦八苦の世界。

「寂しいから」「コロナで家にいるから」などといった安直な考えで猫を飼うと……17年後にこんなことになる可能性もありますので、生き物を飼う時はそれ相応の覚悟の元、命を預かるつもりで飼うようにしましょう!!

我が家のラムのケースはすべての甲状腺機能亢進症の猫や、老猫に当てはまるケースではありません。あくまでこうしたケースもあるという話としてご覧ください。

ペットハック
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川島 千夜

ライター/小説家/イラストレーター/ブロガー/漫画描き/YouTubeにハンドメイドグッズ販売やっています。
インドア派なゴリラで、外に出ないで仕事をすることをモットーにしています。

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