優しさに導かれるように飼うことになったベタの「アグニ」さん。
犬や猫ならかなりの自信があったのだが、初めての魚類に四苦八苦で、色々な人に話を聞いたり、尾腐れ病にしちゃったりとありましたが、ようやく色々安定して、アグニさん的にも上機嫌でお過ごしいただいているようなので、私なりの飼い方の総まとめを出したいと思います。
「ベタ 飼い方」で検索すると、結構色々なサイトがヒットするのですが、「フィルターはあったほうがいい」「フィルターはないほうがいい」「広い水槽の方が長生き」「狭い水槽の方がストレスが溜まらない」と結構まちまち……。
ベタを飼っている方に聞いて試行錯誤してどうにか水質、環境が安定した今、『私のベタの環境』として色々と紹介できるかなと。
ただし……。
飼い始めて半年も経っていないド素人がネットや友達、ショップの人から仕入れた情報や飼い方なので、責任は爪の先の赤ほども持てません。
「へぇ~千夜さんはこうやって飼ったら、水質が安定したんだぁ」程度に思って読んでいただければと思います。
ベタを飼うことになった経緯
飼うまでに至る理由はこちら。
3行で述べると。
ベタが欲しいと呟いていて、欲しいものリストにベタの飼育ケースを入れていたら、とても親切な読者さんからベタの飼育ケースが送られてきたので、渡りに船と熱帯魚屋さんで赤いベタを飼いました。名前はアグニです
といったところです。
ベタの種類
ベタには「ショーベタ」「ワイルドベタ」の2種類がいるそうです。
ワイルドベタはその名の通り、野生の遺伝子のベタ。
ショーベタよりもちょっと地味ながら、丈夫です。「ワイルドだろぅ」とかは言いません。
ショーベタはショーの為に品種改良されたベタで、色々種類があります。
因みに、メスは総じてみんな地味。
みんな地味だけど、飼ったら飼ったで可愛いいし、オスと違って複数飼いしてもケンカしないので、メスを飼うのもありかと思います。
因みに、うちのアグニさんはスーパーデルタと呼ばれるショーベタ。
絶対赤いベタを飼って「アグニ」さんと名づけようと思っていたので、熱帯魚屋さんで見つけた一番元気良さそうなのを選んだ結果、彼が猫5・犬1の巣窟にくることになりました。
ベタを飼うに当たって用意したもの
何及び知識も持たなかった上に「ベタってグラスでも飼えるくらい丈夫で、適当な方がいい」というどこから得たんだかわからない情報があったため、アグニさんを購入した時に、カルキ抜きの薬と餌だけ買って帰ったのですが、今思うと
もっとちゃんとした情報くれよ、SHOP店員!!
と言いたいところ……。
とりあえず、確かにベタはグラスでも飼えるのかもしれませんが、素人には無理。
水質は安定しないし、室温で水温が変化しまくるし、たぶん私がそれをやったら、あっという間に殺してしまう可能性が高いんです。
恐らく熟練のベタ飼いの人は出来るかもしれませんが、素人が四苦八苦しながら飼うのだったらこれくらいは用意した方が良いでしょう。
水槽について
でかい方がいいとか、小さい方がいいとかいろいろありますが、どうやら30㎝水槽が一番しっくりくるサイズらしいです。
うちは玄関に置いているため20㎝キューブ型の水槽にしましたが、やっぱちょっと手狭であることは否めません。
因みに水深は深くない方が良いらしいですが、蓋がないとベタさんがスーパージャンプを見せて、朝起きたら干からびてるという可能性もあるので、蓋必須です。
あと、下に耐震マットなりずれないマットがあると、地震が起こったときに更に悲しい思いをする可能性が少しは減るので安心かなと思います。
そうそう、頂いたベタ飼育ケースはどうしたんだよと思われるかもしれませんが、それはそれで病気の時の隔離ケースとしてや、水槽を洗う際の予備ケースとして酷使させていただいてますので、けして無駄にはしていません。
それにガラス水槽だと水温が安定する一方、夏場は気温が高くなりすぎるので、蓋を飼育ケースのものにするとかして、調節出来るため、非常に便利です。
フォーインワン
フォロワーさんから教えてもらった、カルキ抜きの薬。
カルキの他に、重金属や白濁りなんかを除去してくれたり、エラ等の保護成分も入っているみたいで、先に教えろよショップ店員!! と思うほどよい一品。
水替えの時にほんの1滴垂らす程度で足りるので、たぶんアグニさんがあと10回くらい輪廻転生しても足りるかと思います。
餌
アグニさんをお迎えした熱帯魚屋さんで、冷凍赤虫をすすめられたのですが、素人がそんなモノを扱えるわけもなく……。
というわけで、うちは普通に光りベタ。
小粒で食べやすいようだし、量が多くても半年ぐらいで酸化して捨てる羽目になるなら、これで十分な量です。。。
因みにうちはこれを1日2~3回、10粒ずつ位あげています。
食べ残しがあると面倒なので、食べきれる量をあげるのがミソ。
フィルター
必要派と必要でない派で分かれるフィルター問題。
ショップ店員曰く、ないと水替えをしょっちゅうする羽目になるので、あった方が良いとのことですが、あってもなくても水替え(水足し)が必要になるので、そこはどうでもいい感じ。
ただ、バクテリアの関係上、私はあったほうがいい思い、このスペースパワーフィットを購入。
安いし、音も静かで、巣量も変えられるのでこちらに決めたが、ベタは水流に弱いので、更に改造が必須。
水量はもちろん最弱。
さらに水流口に目の粗いスポンジを突っ込んで、「じわ~」っと水が出てくるように調節しましょう。
もちろん、この改造によって水が詰まって壊れる可能性もあるのですが、今のところ大丈夫なので、これで安心。
換えのフィルターも安いので良いのですが、難点は背丈がある分ソイルを入れたりするとそれなりの高さの水槽が必要になってしまうことと(ベタはあまり水深が深くない方が良いし)、外かけ型のフィルターにくらべ水槽が狭くなること。
そこはまぁ各々の判断でというところですが、うちのアグニさんはフィルターが止ると急に泡巣を作らなくなったりするので、やっぱりあった方がいいっぽいです。
因みにフィルターがある場合、こうした事故も起こるので要注意です
水草
色々試して、色々枯らした水草。
初めは名前も知らぬ水草を適当に選んで入れたら……3日で溶けました。
次はフォロワーさんから頂いた「アマゾンチドメグサ」を入れたら。
1週間で溶けました。
どうやら光量不足と、その時尾腐れ病で薬を入れていたので、その薬のせいだったようですが、野菜すらまともに育てられない私は、水草もダメなようだと諦めていました。
そこで、「一番育てやすい水草をください」とショップの店員に聞いたところ、「アナカリス」という水草を勧められたんですが……。
2週間でモロモロに溶けました。
結果ハイグロフィラが一番おすすめの水草
アナカリスは葉っぱが小さいので水槽の底に散ってしまい、掃除がえらく大変。
店員オススメの「最も育てやすい」と評判の水草ですらダメなのかと諦めかけたんですが、うちのアグニさんは水草がないとションボリするタイプなので、ネットで調べまくった結果、「ハイグロフィラ」という水草が「超初心者」向けでいいと判明。
早速買って、ゼオライトストーンに適当に詰め込んで水槽にIN。
大体、水面下3~4㎝のところに頂点が来るくらいの大きさで、元気がなさそうだがまあよし。
一度外出し、3時間後に帰宅したら。。。
蓋にむかって思いっきり伸びてて、どん引きしました。
なんというか、このハイグロフィラ、エグイぐらいに伸びます。
低CO2。低光量。ノン栄養であっても、グングン伸びます。
アグニさんの食べかすと、排出した僅かな二酸化炭素を栄養に、ここまで成長するとは、これからの世界を救う近未来の植物になるんじゃないのかと思うほどに丈夫で、伸びる。
伸びたら切って、また下のほうに植え替えれば良いのですが、1日に1~2㎝伸びるので、ぶっちゃけ切るのに手間がかかるほど。
水草の玄人ほど逆に手がかかるから嫌がる、と書いてあったのがうなずけました。
というわけで、水草初心者さんにはお勧めの水草です。
おやすみリーフ
なんだかベタの飼い主の多くが水槽内に入れている、可愛らしいアイテム。
なんというか、オタクの人がTVで自宅公開なんかしたときに、本棚の片隅にフィギュアがおいてあるのを見つけたときのようなほっこり感。
初めは警戒していたアグニさんも、慣れると大抵寝るときはこの上に乗っかって、口を半分水上に出して寝るか、間に挟まって寝てます。
スポイト
絶対必要シリーズ。スポイト。
ウンチは基本的にアルカリ性だし、ベタは弱酸性が好き。
そして、ウンチを放置すると水質の悪化にもつながるので、1日1回は水槽の底に落ちている宝物を見つけて、これで吸い込んで下水に流してあげましょう。
因みに、ひかりベタを食べているこの宝物は、似たような色の丸っこい粒みたいなものなので、初めのうちは見つけるのが大変かもしれませんが、小食な子だと2日に1回とかしかウンチをしないようなので、気長に宝探しをしていくと、見つけられるようになります。
鏡
ベタは別名「闘魚」と呼ばれる、縄張り意識の強い魚。
別のオスを見つけると「フレアリング」と呼ばれる、ヒレとエラを全力で開いた威嚇行動を取るのですが、それって彼らにとって運動になるらしいです。
1日中やっては疲れてしまうし、飽きちゃったりするので、1日2~3分でいいので手鏡を水槽に向けて、フレアリングをさせてあげましょう。
因みに、たまにでもフレアリングをやらないと、ヒレの先が丸まったり、よれてしまったりします。
運動不足の人間の手足がヒョロヒョロなのと同じような理論なのでしょう。
水槽用LEDライト
思った以上に必要だったこれ。
初めはいらないと思っていたのですが、ないと水草は育たないわ、タンニン色の水でせっかくのアグニの姿が見えにくいわで、安くてもあった方が良いかと。
うちのはこちら。
30㎝水槽には小さいらしいのですが、20㎝水槽にはぴったり。
ただし、重さもあるのでガラス製の水槽じゃないとバランスが心配。
もっと水槽が小さい場合は、普通のデスクランプとかでも十分じゃないかと思われます。
でもなんとなく、カッコイイ気がするので、LEDがおすすめ。
水温計
100均でも買えます。
ベタの適温は25~28度。
ただし、31.2度~20度くらいまでは問題ないそうなので、冬や夏の様子見の為にも入れておいたほうが安心。
とくに、寒い分にはガラス水槽にしたり、ヒーターを入れたりでどうにかなりますが、熱いと水槽用クーラーをいう名の、小型の扇風機みたいなもので水面の気化熱を利用するほかないため、注意が必要。
うちの場合ガラス水槽&保温性の高い家なのでヒーターは大丈夫でしたが、この夏はエアコンつけっぱなしの上に、玄関にサーキュレーターで空気を送らないと茹でベタが出来そうで心配でした……。
マジックリーフ
これもフォロワーさんからもらった、枯れ葉みたいなもの。
だが、ベタの本拠地ではこうした葉っぱが水に溶け、弱酸性の水質になっているため、水槽、若しくは換えの水にこれを入れておくと、ベタに丁度良い水質になってくれる優れもの。
難点は、タンニンが溶け出し、水が茶色くなること。
熱帯魚って観賞用じゃないですか。
その水が茶色ってのも……と思うのですが、そうした場合は、↑のLEDライトをつけるとGOOD。
青い色の光が茶色を和らげてくれるので、見た目的にそこまで悪くならずにオススメ。
ただし、フィルターは問答無用で茶色くなっていくので、その辺はご勘弁を。
これを入れた途端、アグニさんの調子が良くなったので、かなりおすすめかと思われます。
計量カップ
取っ手が壊れて使わなくなったモノなどで十分。
20㎝水槽で2~300ccもあれば大丈夫でしょう。
フィルターがあっても、やっぱり20㎝水槽だと週一での水替えは必要になってきます。
水替えというか、ウンチ宝物を拾ったり、食べ残しの餌や水槽のゴミをスポイトで取っていくとどうしても水量が減っていくので、結局のところ、「足し水」という形で水を入れることになるでしょう。
うちの場合は、毎週木曜の昼くらいにアグニ専用計量カップに水道水(浄水)をくみ置きし、フォーインワンを1滴垂らし、ちょこっとちぎったマジックリーフを浮かべて、日の当たるところに放置。
でもって寝かすこと2日。
浮いているマジックリーフは取り除き、土曜の昼くらいに、静かに水槽に足していくという手法で毎回やっています。
その辺は人それぞれですが、このやり方だとアグニさんも違和感なく、泡巣を作るくらい元気に過ごしてくれるので、いいかなと。
ベタの病気・泡巣について
私が実際に見たベタの病気は尾腐れ病だけなので、そこしか語れませんが、結構多いみたいなので、書きます。
尾ぐされ病について
私がペルパンギーナになり、1週間ほど寝込んだら、アグニさんの尾ひれが溶けて、ザグザグウになっていた……というのが尾腐れ病の物語。
原因はどんな水にも生息しているカラムナリス菌が猛威を振るってしまったこと。
放置すると尾ひれから胸びれまで溶かしにかかり、最後は息が出来なくなって死んでしまいます。
そうなる前に、うちではグリーンFゴールドというお薬を投薬。
1回(1週間)薬浴させただけでかなり改善してきたので、その後徐々に足し水、水替えをしていき、最終的には、水槽も新しいものにして事なきを得ましたが、気がついてから3日くらいで一気に進行していったりもしたので、予めグリーンFゴールドは買っておいても損はないかもしれません。
なお、グリーンFゴールドを入れると、水草は枯れます。
相性が悪いそうなので、もし水草を入れてある場合は、別の入院用水槽にベタを移し、そこで薬浴。
その間に、水槽や水草を洗って菌を落として新しい水を作っておきましょう。
元気になったら水あわせを慎重にして(水あわせについては「ベタ 水合わせ」でググるとたくさん出てくるし、大抵言っていることは同じなので省略)、元の水槽に入れれば何事もなかったかのように過ごせるでしょう。
因みに、少々時間はかかりますが、溶けてしまったベタの尾は、病気が治ればまた伸びていきます。
元気のバロメーター泡巣
初めて見たときは「キモっ!」と思ったのですが、泡巣とはこれ。
ベタがお嫁さんからもらった(?)卵を保存するための巣的なモノ。
大抵、元気だとこれを作ってくれるので、もしベタが泡巣を作らなくなったら「ん? 元気ない?」と思ってみるといいかもしれません。
因みにアグニさんは、水草がなくなると途端に泡巣を作らなくなるので、ストレス値を計るバロメーターにもなるでしょう。
水槽の立ち上げ方
最後に初期の水槽の立ち上げ方を。
私は初めは帰宅して、水の用意をして、水合わせをしてすぐアグニを水槽に放ちましたが、よく元気でいてくれたと思うほど、結構乱暴なやり方だったようで(反省)
新しい水槽を買って、引っ越しをさせる際は……。
水を入れた水槽に、フォーインワン・マジックリーフを投下、水草も入れ、フィルターも稼働し、そのまま「5日間」放置。
そうやって、バクテリアの培養(?)とカルキ抜きを済ませて、安定した水槽に、水合わせをしたアグニさんをお引っ越しさせました。
因みに引っ越し初日は絶食で。
基本的に熱帯魚は絶食に強いので、1日くらい抜いたって大丈夫。
むしろ、驚いたり、具合の悪いときに餌をあげても食べないし、食べたら食べたで無駄な体力を消費してしまうそうなので、変化があったときは餌を控えた方が良いそうです。
アグニさんも例に漏れず驚いて、初日はうろうろしていたのですが、一晩おいた朝にはこんもり泡巣を作っていたので、水質が安定するまで、5日~1週間は水を入れて水槽は寝かせた方が良いのでしょう。
因みに、私は掃除のしやすさを優先して、そこ石やソイルは敷いてません。
こういう水槽を「ベアタンク」といういうそうですが、掃除がしやすいというメリットと引き替えに「ベタが反射した水槽の底で興奮する」「水草が育てにくい」というデメリットがあります。
「ベタが反射した水槽の底で興奮する」というデメリットについては、うちのアグニさんは興奮しない(というより、まったく気がついていない)タイプだったので良いのですが、ダメな子は、そこに黒いシートを敷くという手があります。
また、「水草が育てにくい」というデメリットに関しては、ハイグロフィラを使うということで解決できます。
きます。
この辺は一長一短、見た目的なこともあるので、ご自由に^^
というわけで、大体必要なモノのと共に、飼い方的なモノを説明してみました。
私が持っている知識は大体こんなモノですが、一言だけ、ベタを飼いたいと思っていた私に言いたいことがあるとしたら……。
全然手軽じゃないよ
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