去年の話だけどハゼ釣ったんですよ。
汽水域の川で。
入れ食い。
あいつら全滅するんじゃないかってくらい入れ食い。
だけどね。喜べなかったのよ。
なぜならハゼの生命力と、つぶらな瞳に心が引き裂かれそうになったから。
今回はそんなお話。
ハゼ釣りのやり方
道具&エサ
ハゼ釣りって比較的簡単。
というか、初心者向けなくらい簡単。
道具は普通にセット売りされているような釣り竿とハゼ用の釣り針。
釣り針は無ければキスとかの釣り針でもOK。小さければ問題なし。
私はサヨリ用の釣り針を釣り糸に引っかけて釣ったからね。
それくらいザル。
そしてエサは疑似餌でも大丈夫。
パワーイソメとかだったら釣れるんじゃないかな。
色は赤がおすすめ。
私はたまたま釣り道具屋さんの裏手で釣れるというベストポジションでの釣りだったので、生のイソメを購入。
そのせいもあって、入れ食い状態に……。
場所
ハゼは生命力が強くて、海はもちろん、川に入りかけの「汽水域」って所でも釣れます。
おすすめ所は「浅いところ」。
ちょっと水量の減った海がすぐ近くにある河川とか最高ね。
たぶん晩ご飯に困らないくらい釣れます。
水深が深いところにはあまりいないので注意しよう。
シーズン
夏~秋の間なら大抵釣れる。
汽水域とかだと水温が下がりにくいので、冬入りかけでも大丈夫。
私が釣ったときは11月初旬でした。
釣り方
釣り針にイソメを引っかけて(針を隠すようにするのがベスト)、浅い水の底に落とし「チョンチョン」と動かす。
そう、それだけ。
生きたイソメなら「チョンチョン」すらいらない。
ほぼ干潟のような状態だったら、水面をよく見るとポコポコしているところが合ったりするので、その辺を狙うと大抵いる。
彼らは口が大きく貪欲なので、一気に食いついてくれるため、「ツンツン」と引きが来たら引き上げましょう。
あまり放置しているとハゼが針を飲み込んでしまい、針を外しにくくなるためさっさと引き上げる位で丁度良いかと。
ハゼの持ち帰り方
ハゼを釣った場合、リリースしたりさらに大きい魚の餌にするという事もあるけれど、持ち帰って食べるというケースが大半かと。
(持ち帰ってペットにするケースは知りません)
持ち帰る際は、私は苦しまぬよう釣った時点でえら辺りに小刀で一発食らわせ、血抜きを兼ねて首を切断するか、えらの所に指を入れてボキリと首を折ります。
残酷かもしれないけれども、そのままクーラーボックスに突っ込むと苦しんで死ぬので、身がボロボロになったり、死後硬直で反り返ってしまい調理しにくいし、腐敗も早くなります。
命をいただくとはこのことなので、ここは心を鬼にして「旦那に首を折ってもらいましょう」。
(私は捌けるけど殺せません。あと、釣りに行きたがっているのは旦那なので……)
そして、氷をたくさん入れたクーラーボックスの中に、袋を入れた上で入れましょう。
直接氷が当たると、そこから氷が溶けて真水になって、浸透圧の関係で身がかなり水っぽくなるので、私は袋という防御法を使っています。
イワシとかだと釣った時点で心臓麻痺で死んでたりするし、氷に触れた瞬間に即死してくれるので絞めないでもいいんですが、ハゼは本当に生命力が強いから……。
うっかり首を折り損なって帰宅すると家で殺すことになります……。
ハゼの料理方法
ハゼ料理って実は、江戸前の美味しい料理なんですよ。
ハゼの天ぷらといえば江戸前。
見た目はエグいんですが、白身で上品な味がして美味しいんですよ。
刺身でもいけるそうですが、生きた状態で持って帰れるテクがないと難しいらしいので、やっぱりおすすめは天ぷら。
そんな美味しいハゼですが、料理の時に時として人の心を抉ります。
ハゼ、頭を切断された状態でもしばらく生きているというほど、本当に生命力が強い。
動画で調べると、腹食われて内臓出ている状態なのに泳いでいる姿があったりもします。
それくらい生命力が強いので、持ち帰るときに首を折り損なったハゼが……生きています。
人間とは不思議な物で、釣り場では生きた魚を平気で捌くくせに(主に旦那が)、キッチンに生きた魚が洗われると、途端にグロテスク現場になってしまうんですよ。
というわけで、持って帰ってきたハゼ。
生きて夫氏を威嚇するという事件が発生。
目が上向いてるからね。
死ぬときにめっちゃ自分の顔見られてるからね。
口開けて威嚇するからね。
私は耐えきれなくなって、「あ、仕事溜まってたんだよな~」と言いながら避難。
階下で夫氏が「ああ……」とか「ひぃ……」とか言いながら心にキズを負っているのを聞きながら、捌かれて魚肉になったころを見計らってキッチンへ帰還。
綺麗な白身になっているハゼの横で、頭を抱えてトラウマと戦う夫氏に「美味しいハゼの天ぷら作るね」と声をかける私。
ともかく、ハゼって捌くときにMP(メンタルパワー)持って行かれちゃいますから。
ハゼは天ぷらが一番
そんなわけで、しっかり捌かれたハゼは天ぷら粉を薄めにつけてさっくりふんわり天ぷらに。
ハゼの天ぷらは身がふんわりしてて、白身もほんのり甘く、本当に上品で美味しいお味。
見た目と捌くときの心の痛み、あと生息している場所の汚さ(ドロの中)という三重苦からは信じられないお味なので、手軽に食べられる高級品としておすすめ。
しかもタイミングさえ合えば、入れ食い状態になるので、もし我が家が極貧になったり、サバイバルを強いられた際はハゼを釣って生きていこうと思うほどです。
ただし……。
忘れてはいけません。
ハゼは切られる直前まで、あなたを威嚇する……。
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