私はなんだか猫に好かれるので、家の外にも中にも猫がいる状態が普通でした。
外の猫は半年近くかけて懐かせて保護して里子に出しています
もはや、好かれるというよりも、「寄られる」というレベルかもしれません。
高校の時に、家の玄関の前に段ボールに入れられた子猫を見つけて以来、今までで40匹くらいの猫を保護したりしているんですよ?
別に、好き好んで猫のボランティアとかしているわけじゃないのに。
それなのにまた、猫に関わること……それも出産に関わってしまったので、その経験をお伝えしたいと思います。
もし、子猫が生まれそうな兆候の猫を保護してしまったり、妊娠猫の出産の手伝いをしたいと思っている方がいたら参考までに読んでもらえればうれしいです。
私が猫の出産に立ち会うことになった経緯
ある日、玄関を開けたら、お腹が大きな猫が家に堂々と飛び込んできたんです。
本当です。
しかも確実に、仔猫が入っているサイズのおなかをしている猫。
その母猫はしれっと玄関から入ってくるなり、うちの猫の病院用に置いてあった移動用のケージに堂々と入り込んで、「なにか?」的な顔をしているんですよ。
もう二度と玄関開けるのやめようかな
そう思いながらも、こうなった以上見捨てるわけにもいかないじゃないですか。
突然の野良猫保護からの、出産のお手伝いですよ。
そうして、来客用の部屋を急きょお産室に変え、来るべき日に備えよう…………と思ったら一週間もしないうちにモリモリ出てきました。
猫の出産に立ち会う前にまずは動物病院
まず出産間近の猫を保護した際には病院へ連れて行きましょう。
特に先住猫が居る場合は、野良猫の方が病気を持っていた場合感染してしまいます。
そして、妊娠後期の場合レントゲンを撮って、おなかに何匹の仔猫が居るか確認してくれます。
「え!?妊娠中にレントゲンなんて……!」
と驚くかもしれませんが、妊娠後期になっていればもう細胞分裂も済んで、あとは世に出るタイミングを計っているだけ。獣医さんに聞いた際にも「心配ない」とのことでしたので、安心してお任せしましょう。
むしろ、死産などでおなかに仔猫が生まれないまま残ってしまう方が危険。
その場合病院で帝王切開が必要になりますので、やっぱり匹数を確認しておきましょう。
また、妊娠中でも使える虫下しとか、のみ取り薬なども出してくれる場合もありますので、ともかく野良猫を保護したら獣医の元へ連れて行くようにしましょう。
猫の出産準備
猫の妊娠期間は大体60日~70日。
ですが、動物病院へ行くと大体「○日くらいで出産するでしょう」と教えてくれますので、それを目安に色々と準備をしてあげるとよいでしょう。
必要なのは……。
お産室となるダンボール。
できれば上も何かで覆われて、薄暗い方がよいので、段ボールの一カ所に猫が出入りできる大きさの切り抜きを作って、中にペットシーツとタオルを敷いといてあげましょう。
特にペットシーツとタオルは大量に使うことになるので、たくさん用意してOK。
我が家は多頭飼いなので、上の安くて大量に入っているペットシーツを購入しています。
そして、冬は湯たんぽを用意して入れてあげたり、夏はエアコンの風が直接来ないようにして、大体28度くらいの快適な温度で生活できるようにしてあげましょう。
また、このお産室を置いておく場所は静かな人気のない場所。
すでに先住猫を飼っている場合は、必ずドアなどで隔離できるようにしましょう。
出産間近になれば母猫もうろつかなくなりますので、一部屋に閉じ込めておいて大丈夫です。
もちろん、水やトイレは同じ部屋に用意しておいてあげましょう。
また、産後は猫の習性で仔猫をつれて引っ越しをします。
(同じ場所に居続けると汚れるし、敵に狙われやすいので)
なので、お産室のほかにもう一つ、段ボールで同じような部屋を作ってあげて、母猫が子猫を連れて引っ越しをしたら片方の部屋をきれいに片付けて……と使い分けできるようにしましょう。
そのほか、出産直前になったら、きれいに煮沸消毒したハサミ・木綿糸・消毒液・ぬるま湯・ビニール手袋などがあると安心です。
出産が始まったら(兆候や手伝えることなど)
大体平均して、猫の出産時間は夜になることが多いと言われているのですが、我が家でも例に漏れず、深夜に猫の出産が始まりました。
といったことが多いのですが、この保護母猫はよほど人慣れしているのか、私にすり寄ってきたりしたので、そうした場合は頭をなでてあげましょう。
念のため、背中やおなかは撫でない方が安心です
そして、基本的に猫は安産が多いので、見守るだけで大丈夫なのですが、念のため行きつけの動物病院や、ブリード経験者のペットシッターさんにあらかじめ連絡を取れるようにしておきました。
ちなみに猫の出産時間は大体3時間ほど。
15~30分間隔で次々子猫が生まれてくるのですが、出血しているのに苦しそうにして子猫が出てこなかったり、頭だけの場合は難産。
頭が出かかっているのに出てこない場合は、動物病院へ行っている暇もないため、ビニール手袋をつけた手で、そっと引っ張ってあげたりして手伝ってあげましょう。
ただ、そこで無理矢理引っ張ったりすると大量出血したりするため、そっと手伝ってもだめならすぐに獣医に連絡して、指示に従いましょう。
私も、お産の最中に子猫の腕が突っかかったのか、尻から半分猫を出した母猫にお尻から迫られ、ビクビクしながらそっと子猫をつまんで引っ張り出しました。
この子がお産を助けた子猫です。
我が家でビバリという名前で飼われています
その他非常事態の対応
羊膜を母猫が除去しない場合
子猫は羊膜に包まれて生まれてくるのですが、その膜を母猫が舐めて除去しない場合があります。
そのときは、清潔なタオルで子猫を包んで、母猫の顔の前に持って行きましょう。
それでも母猫が舐めて取らないようなら、そっと布で拭って羊膜を取ってあげるとよいでしょう。
大体、母猫が落ち着いたらきれいにしてくれるはずですので、顔周り、特に鼻や口に羊膜がくっついていなければ大丈夫です。
母猫がへその緒を切らない場合
出産すると、母猫が子猫のへその緒をかみ切るのですが、やらないこともまれにあります。
その場合は、子猫のへそから5センチくらいのところを木綿糸でしっかりと縛り、縛ったところの胎盤側のへその緒を清潔なハサミで切ってあげましょう。
もし胎盤がまだ母猫から出きっていないようでしたら、胎盤側も木綿糸で縛って、子猫側、母猫側両方から縛った間を切るようにしましょう。
ただ、胎盤側が母胎に残っていると大出血の可能性もあるので、胎盤が出ていない場合は極力獣医に電話して指示を仰いだ方が賢明です。
母猫は胎盤を食べるので見守りましょう
慣れている母猫だと、出産後子猫のへその緒を切り、羊膜を舐め取り、胎盤を食べます。
この胎盤には栄養がたっぷり入っているので、母猫が食べる……と言われているのですが、何匹も産んでいると後半は、へその緒を切っても胎盤は食べなくなります。
そしたら残りはティッシュで包んで捨ててしまいましょう。
余談ですが、我が家の場合最後の1匹を産んだ後、母猫に胎盤を投げつけられたのですが、どうやら「産婆兼乳母」である私にもおすそ分けしてくれようとした行動の表れだったようで……。
いつから、私は猫の乳母になったのだろうか
信頼されている飼い主の場合、このように胎盤を渡されることがあるともいますが、気持ちだけ受け取り、そっとティッシュに包んで、捨てましょう……。
このように出産が終わったら、匹数を数え獣医に言われた数と同じなら無事完了。
母猫のおなかにも子猫が残っていないし、流産・死産もなければ無事、このまま育児となります。
繰り返しますが、基本的に猫は人や犬よりもずっと安産で、難産の可能性は低いのでそっと見守ることが大切です。
出産後の母猫のケアの方法
無事出産を終えると、子猫は勝手に母猫の乳首を決めます。
マイ乳首ですね。
母猫は疲れているので、そのまま寝てしまいますし、人間も一段落ということで、冬なら少し離れたところにお湯を入れたペットボトルをタオルで巻いて置いておいたり、エアコンをつけてあげたりと温度調節だけしてあげてしばらく放置してあげましょう。
そのうち……大体半日~1日位すると、母猫がご飯をほしがるので、水はもちろん、母猫用の高カロリーフードや猫ミルクなんかを置いておくとよいでしょう。
特に猫ミルクは、母猫の母乳が足りなかったら……と思って用意していたのですが、母猫がよほど疲れていたのか、1~2日はフードよりもまず飲んで栄養がとれるミルクばっかり飲んでいたので、用意しておいてよかったなと思います。
母猫のお引っ越しにも付き合いましょう
そして、2~3日すると子猫のおしっこなどで汚れるので、母猫が引っ越しをしたがります。
引っ越しと行っても、隣に置いたダンボ-ルに子猫を加えて移動するだけなのですが、そうしたら、汚れたタオルやシーツをとってきれいにしてあげましょう。
すると、また、移動先の部屋が汚れたらそちらへと戻ってきて……と、子猫が巣立つまで行ったり来たりします。
あとは基本的に母猫が子猫の排泄のお世話をするし、ミルクもしつけもしてくれるので、しばらく放置。
私たち人間はひたすらお掃除と、母猫のお世話に専念しましょう。
ちなみに、離乳が始まると猫トイレのトレーニングも必要になりますので、子猫用の猫トイレを用意してあげましょう。
この辺の細かい話は、仔猫の育て方・保護のしかた記事に書いています。
落ち着いたら撮影……その前に!
さて、産後落ち着いたら飼い主ならやりたくなる『撮影会』。
いいですよね。
目が開いたばかりの子猫。
散々お世話させてもらっているので、これくらいは役得で撮影させてもらいましょう。
とはいえ、母猫が嫌がっているようだったらNG!!
お膝に乗せてくれたり、触らせてくれるようなら撮影する。
遠くから撮影するなど、母猫にストレスを与えない範囲で撮影するようにしましょう。
もちろん、フラッシュは絶対禁止!!
ちなみに、子猫の撮影の際に注意したいことがあります。
汚れなどがあるので、恐らく誰しもが産室の下に新聞を敷くかと思います。
その新聞に、でかでかとゴジラ松井の写真がドアップで載っていたりすると、撮る写真撮る写真、カメラのピントがゴジラ松井の顔に行くという、大惨事に見舞われるので(苦笑)
撮影の際は敷いてある新聞にも注意しましょう(笑)
まぁきっと、彼も優しい方なので、喜んでおられるであろう。
ともかく、松井選手の顔と共に、子猫たちはすくすく成長していく。
あとは乳離れをしたタイミングで、子猫たちを里親に出してあげたりして、最終的には母猫の避妊手術をして、保護猫として我が家で飼うことにしました。
できる限り野良猫を増やしたりしないためにも、こうして保護したからには最後まで面倒を見てあげる覚悟で、母猫の保護をしてあげるようにしましょう!!
因みに、今回保護したママ猫ですが、私が描いているマンガブログでも後日談を描いていますので、気になった方がいましたら是非ご覧ください!
また、この保護をした香川ママ(ネコ)ですが、10年後に乳がんになってしまいました。
その時の話をこちらの記事で読むことが出来ますので、避妊が遅れてしまったかがは是非ご覧ください
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