私は数年前から「健康な女性に良く見られるポリープ」というのが胃にできており、全くの良性なんですが、念のため……という理由で年に1度胃カメラを飲んでいます。
過去、無麻酔鼻からという、地獄のような苦行を強いられたりしていたんですが、名医100人にも選ばれた、鎮静剤を利用してくれる大変よい医者を見つけて以来、ずっとそこに通っていました。
でもって、37歳の胃カメラを受けたその日、院長に「千夜さんも年齢的に、1度は大腸カメラを受けた方がいいよ」と言われ、院長に絶大な信頼を置いている私は「やるやる~」と軽いノリで、38歳となったこの夏に、胃カメラ&大腸カメラのダブル検査をお願いしたのだが…………。
大腸カメラの体験記
大腸カメラは事前準備が大変
胃カメラの時は、前日夜9時以降はご飯を食べず、検査が終わるまでひたすら飢えと渇きに耐えればOK。
事前に肝炎などの血液検査は必要となりますが、それくらい。
大腸カメラの場合、事前の血液検査はもちろんのこと、前日夜9時以降は飲み食い禁止なのに加え……その後夜10時に下剤を服用。
当然朝5時くらいにお腹が緩くなって、ため息つきながらトイレに起きるはめになります。
別にお腹が痛いわけではないのですが、ナチュラルに便意。
そして翌朝、寝不足の目をこすりながら病院へ着くと、薄っす~~いポカリスウェットのようなドリンクを2L、2~3時間かけて飲まされます。
その間もちろん、トイレは止まらず。
その日は私以外にも4人の検査の患者がいたのですが、トイレは3つ。
1時間くらいすると「皆さん殺し合いをしていただきます」みたいな状態になっていきます(笑)
5人の水便野郎たちに対し、黄金の台座が3つっていうね
しばらくすると、「しゃーーー」って音が聞こえるので、「ああ、水ばっかだからオシッコしかでないんだねぇ」なんて思っていたら、どうやら尿のように尻から水が流れていることに気が付き、驚愕を覚えるが、そうなったら腸内洗浄完了。
黄色い水しか溜まっていない便器を看護師さんに見せ、さらに「やだぁ、千夜さんの手作りマスク可愛い!!」なんて、汚水の溜まる便器の隣で立ち話されるという恥部地獄に引きずり込まれます。
腸内洗浄が終わるころになると、尻の拭き過ぎでメチャクチャ⁂周辺が痛くなりますが、看護婦さん曰く、拭かずに「ポンポンと押さえる」と痛くならずに済むそうです。
大腸カメラ自体は苦しくない(病院によるけど)
腸内洗浄が終わり、尻に雑な縫い目で穴の塞がれたパンツを履き、喉の麻酔をかけたら(胃カメラもやるので)、院長先生が出てきてニコニコ笑顔で「初めての大腸カメラかぁ~何が出るかねぇ~」なんて言っています。
どうせ「いやいや、きれいな腸だったよ。次は5年後にみてみようか」なんて言われて終わりだろうな、と思っている内に鎮静剤が効いて、記憶が飛びます。
で、次に気が付いたときは、なにか尻に挟まっているような違和感と、何やら検査室が慌ただしく、看護師が増えている気配。そして、腹の下になぜか銅版が敷かれていたことに気がついたんですよ。
ただ、全く、なにをされているかわからない。
次に気が付いたときは、リカバリールームで点滴打たれて寝ていて、「あ、終わったのか」とぼんやり。
実は10年以上前に一度、旦那が大腸カメラをやっているのを見させられたことがあったのですが、その時は腹がめっちゃ痛そうで、結構ビビっていたのですが、本気で寝ている間に終わってました。
明け方にトイレで起こされたことによる、寝不足も役立ってるかと
診察室でポリープを取ったことを告げられる
目が覚めて、着替えを済ませると院長先生が診察室に呼んでくれます。
相変わらずニコニコしながら「胃カメラは相変わらず胃酸の出が多いみたいだけど、問題なしだね」と教えてくれ、さらに……。
ところで「私、カナブンなんです」って言っていたけど、どうしたの?
いや、本当にどうしたんでしょうねぇ……。
前回は鎮静剤がいいところに効いて「ゲラッゲラ」ずっと笑っていたそうで、どうやら鎮静剤を打つと、私は酩酊状態になるということがわりました。
と、ニコニコと話していた院長が、今度は突然真顔に。
で、大腸なんだけど、ポリープがあったからそのまま切除手術しておいたから
突然の大ぶりっすね
わけが分かっていない私に、大腸の中を撮影した写真を見せ、「これがポリープ」「で、これをこうしてとって……」と説明してくれる院長。
途中、クリップのようなものが大腸についた画像も見せてくれたので「あ、これで取ったんですね」と言うと、「いやこれは、止血用クリップで今あなたのお腹に入ってるから」とあっさり。
あの腹の下に敷かれていた銅板も、どうやらポリープを切除するための銅熱線(?)使用のためでした。
私、カナブンなので理解が追い付きません
ポリープ切除後入院しない場合は予後が大切
本来なら2日くらい入院して取ることが多い大腸ポリープ。
とはいえ、8mmほどだったので、そのまま内視鏡手術で切除したんですが、入院しない場合その予後が大変。
まず、当日は絶対安静。重い物もったり、走ったり、入浴しても危険。
下血します。
食べ物は1週間。おうどんとかお粥とか、ともかく刺激のない柔らかい物。
コーヒーでも飲もう物なら、下血します。
その後も、長時間の移動や力むこと、便秘もだめなら下痢もだめという、超絶縛りの多い中1~2週間過ごさなくてはならないのですが、なぜなら下血するから。
傷口を止めているクリップは、いつかはポロリと取れて、ウ〇コと一緒に下水へと流れていってしまうものなのですが、傷が塞がる前にポロリしてしまうと、当然血管が多く通っている大腸から大出血してしまうし、実はそれで慌てて別の病院へ駆け込んでしまうと、手術箇所が分からず手間取ってしまうため、必ず手術した病院へ行く必要があるのです。
なので、私は院長先生の携帯番号までもらっちゃいました。
元々仕事は在宅ワークだし、動かないのも問題ないが、家事って結構重い物持ったり、風呂掃除の時に屈んだりしないといけなくて、腹圧がかかるので、そうしたものが旦那が帰ってくるまでできないのが難点。
また、卓球の練習もできず、えらく窮屈な思いをした。
なにより、夏の暑い最中に、粥をすするだけしかできず、夏バテ気味に……。
野菜も繊維質なのは食べられないので、ビタミン不足で肌荒れを起こしてしまったりと、えらい目に遭いました。
なのでもし、大腸ポリープがあるかもしれない……と思っている方が大腸カメラを受ける場合は、秋~春にかけてがおすすめ。
ポリープ切除は保険対象内
これはちょっとそれぞれの保険会社によるかもしれませんが、医療保険に入っている方は内視鏡でポリープ切除をした場合、保険適用となって、支払いがある可能性もあります。
私の保険会社はもちろんOKなところだったので、この暇な自粛期間中電話をかけて確認、送られてきた書類に書き込みをして、病院の明細書のコピーを同封して返送。
後日、保険金が振り込まれました。
因みに、大腸カメラはポリープ切除がなければ大体1万円くらいですが(私の場合胃カメラもしたので、もう少し高かったかも)、切除となると手術になるので3万ほど現金で払う必要があり、保険金が振り込まれたため非常にありがたかったです。
20代の時にほけんの窓口で相談しながら決めたコースだったので、当時は「払い損かもなwww」なんて思っていたんですが、30代後半の今、「次も……なにかあったらよろしくお願いいたします……」と懇願する気持ちになっているので、入れるものなら、本当に保険は元気な20代の間に入った方がいいです。
私は医療と生命保険両方入りつつ、女性疾患も+αで入ってましたが、ガン特約つけたかどうか忘れたので、後ほど確認しないとです(汗)
次回は細胞検査の結果発表~
というわけで、「鎮静剤でカナブン発言」「寝て起きたらにクリップ」「突然の真顔で手術発言」などなどと、情報量が多い1日となりましたが、どうにか2週間すごし、無事下血せずにすみました。
ですが、これで終わりではありません。
次は、この取ったポリープの正体は何だったのか。
それを聞きに病院へ行くのですが――――。
次回は細胞検査の結果「ガンすれすれ!?」の命拾いをした話をお伝えします。
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